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コラム

菅原のひとりごと

弊社代表・菅原による不定期連載。世の中の動向や日常の出来事を徒然語ります
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第26回

年の瀬の26日実家に車で向かいました。登米市中田町と東和町、仙台郡山から東部道路、三陸道を通って一時間程で到着します。この道路がない頃は二時間はかかっていました。年に2~3度の墓参と盆暮れの挨拶、冠婚葬祭以外はほとんど使いませんが、まるで我家のために作ってくれた?ような高速道路です(笑)。しかも、桃生から無料です。「これも莫大な借金の一部なんだろうなぁ」なんて考えながら走っているのは私だけ?年末というのに行き交う車はまばらで周辺の田んぼには白鳥がたくさん飛来していました。

普通の道路で帰った頃は、道々の美味しいものを食べたり、利府ナシ、南方や米山道の駅、古川ではパパ好みを買ったりと小さな地域貢献をしながら沿線の風情を存分に味わえましたが、今は目的地直行です。速さや利便性を追いかけるあまりに失ったものもたくさんあるなぁ、なんて考えていたら、急に懐かしくなって登米インターで降りて県道を北上することにしました。中学の頃、駅伝やマラソン大会で走った道が今でもあって傍らを前日の雪を含んだ北上川が滔々と流れていました。35年以上前と変わらない風景がありました。

余韻を残しながら実家に着くと、居間には大型テレビがドカンと座っていました。映し出された有馬記念のド迫力画面を一緒に観ながら、我家には置けない僻みもありますが、どこか落ち着かない居心地の悪さがありました。日常の喧騒を忘れさせてくれるノスタルジックな空間をいつまでも期待してはいけませんね(笑)。たくさん人が集まって、コタツを囲んでみかんを食べて世間話をしていたのは遠い過去でした。

帰り道、夕陽が穏やかな川面に二重写しに投影され、残雪と僅かな青空との奇妙なコントラストに魅せられました。失くしてはならない大切なものが、この国にはまだまだたくさんあることに気づかされ、彼岸には寄り道を決めた半日足らずの小旅行でした。

今年一年、本当にお世話になりました。
皆さまのご多幸を心からお祈り申し上げます。

来年は兎のようにピョンと跳ねられたら最高ですね。
穏やかに新年をお迎えください。

平成22年12月28日



プロフィール菅原 誠

株式会社エムジョイ代表取締役。
平成元年、地元テレビ局とタイアップした学生の就職支援イベント「探職フォーラム」が縁で脱サラ、独立。主に札幌・仙台を中心に学生と企業の求職・求人活動支援のコンサルティングを展開中。55歳。趣味は野球観戦、蘭、熱帯魚。