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コラム

菅原のひとりごと

弊社代表・菅原による不定期連載。世の中の動向や日常の出来事を徒然語ります
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第25回

我家の隣に小学校のグラウンド程の小さな公園があります。特別学校跡地で名残の桜花老木が並ぶささやかな観桜スポットです。そこに「八本松公園愛護協力会」という組織があり、何故か設立当初から大先輩たちに交じって事務長をさせら・・しています。蓮舫さんに仕分けされる前に決まった大改修工事が昨年ありました。事前に樹木一本一本に番号を付け、残す樹と伐採する樹を会を中心に選定しました。計画上では撤去対象だった柿木(渋柿)と公孫樹(イチョウ)を図面を変更して残してもらったのには、理由がありました。

今秋、その樹木が生命に感謝するようにたくさん実をつけました。毎年近所の人たちが収穫を楽しみにしている季節です。何年も見ていますが、自分たちの食べる分だけ持ち帰るという、最近当たり前ではなくなった不文律が存在しています。渋柿は低いところから無くなっていきます。銀杏は風で落ちた分を一番早起きした人が拾っていきます。何十年も続いている秋の公園風情です。

私も今年初めて実りを分けてもらいました。柿は子供の頃、竹で作った二股の道具をカーペットを巻いてあった芯棒で作って、10個ほど傷つけないように獲りました。半分はウイスキーで渋抜き、半分は皮をむいてアンポ柿(干柿)にしてみました。待ちきれずに食べたら渋くて再挑戦、今度はカリッとした食感の甘い柿に仕上がりました。干柿は食べるタイミングが分からずにベランダに美味しそうに並んでいます。

銀杏(ギンナン)にも挑戦しました。これは大人気で、皆さん早朝にビニール袋を持って拾いに来ます。1本しかない老木は今年もたくさん実をつけました。ある朝、軟式野球ボールを枝にぶつけて実を落としている人を発見、これだ!ボールを借りて50粒ほど拾いました。臭さに耐えて一つ一つ実をむいて洗って天日に干すと1、2週間で白い殻になります。食べる分だけ封筒に入れて電子レンジで2分、酒の肴に最高です。どちらも、お金のかからない自然からの恵みです。この季節の新しい楽しみが一つ増えました。

実は、自家製梅酒にも挑戦しています。作り方は、札幌出張で馴染みの親方直伝で砂糖・果糖を一切使いません。朝市で大振りの南高梅を値切って買ってきて、一粒一粒愛情込めて仕込んだのが6月、こちらは熟成するのをじっと我慢の毎日、年末あたりからと思っています。美味しく出来ていたら作り方を公開します。飲んでみたい方は、あるうちに我家へどうぞ。

師走ですね。今年はバタバタというよりワタワタという表現の方が似合う一年でした。大小、深浅、喜怒哀楽、様々な出来事が数珠繋ぎで続いて、何年か先に振り返ると人生で数度しかない節目の年と思えるかもしれませんね。果物屋で、もらった日めくりもあと少しになりました。

敢えて世間の喧騒には触れずに、日常を少し紹介しました。

時節柄ご自愛ください。

年内にもう一度、ご挨拶できればと思っています。

平成22年12月7日



プロフィール菅原 誠

株式会社エムジョイ代表取締役。
平成元年、地元テレビ局とタイアップした学生の就職支援イベント「探職フォーラム」が縁で脱サラ、独立。主に札幌・仙台を中心に学生と企業の求職・求人活動支援のコンサルティングを展開中。55歳。趣味は野球観戦、蘭、熱帯魚。