<第07回>「1を聞いて、0.5を知る?」リアリティー不足を補う方法
○パソコン文化が浸透し、手軽にバーチャルリアリティーなどで、疑似体験できるようになりました。又、遊びの大半が、ゲームです。現在、就職活動をしている学生に聞いてみると、かなりの確率で「ゲーム」と返答が返ってきます。なんと女子大生も休日はゲームをしているようです。さすがにエントリーシートや履歴書の趣味欄に「ゲーム」とは書きにくいようで、「趣味がないのでどうしたら良いですか?」と質問されますが、よくよく聞いてみると、大半ゲームにはまっているようです。大学生、いや社会人までも虜にするゲームを作るソフト会社もすごいですが、問題はそのおかげで、行動量が極端に少ない若い人が多くなっている、という事です。また、買い物、調べ物までインターネット利用です。確かに非常に便利ではありますが、アナログに比べ、現実に直面した時に、その応用が利きにくく、実際に覚えが悪い、という事があります。
○周知の通り、電子辞書と紙の辞書では、圧倒的に紙の辞書を活用した方が記憶に残るという実験データがあります。これは、記憶の中枢の中に、「文字情報」と「位置情報」の二つが同時にインプットされる為ではないかといわれています。かつて、英語の受験勉強で、英和辞典を覚えたページから破いて食べていく、などという人もいたようですが、多少は同じような原理?かも知れません。
○講義型の研修を開催し、後にテストを実施すると、以前より高得点の新入社員が多く発生します。ところが、ロープレ型の研修、現場に出てのOJTとなると、全く使えません。かつてのアナログ人間は、講義型研修時のテストは、全く駄目で、現場に出ると研修で教えたことを簡単に使える、という人間が結構いました。中には、勝手に拡大解釈して、大風呂敷を広げる人間もいたものです。かつての若者は「臨機応変」、現在は「臨機横柄」というジョークもあります。孔子に例えて、「1を聞いて、0.5を知る」と私は言っていましたが・・・。パソコン、メディアの影響かどうかは別にしても「記憶はするが、話す事ができない」という若者が多いのが事実です。辞書の記憶と同様、新しい事を覚えるのに、同時に脳の複数の回路を動かして覚える、ということの習慣がないのかもしれません。
○そこで、新しい事を学んだあと、使えるようにするひとつの方法が、「念仏」方式?と呼んでいる方式です。新しい事柄を教える都度、繰り返し個人で唱えさせる方式です。特に営業や販売職などの若い社員向けです。例えば商品知識やセールストークまで使えます。一人ロールプレイングといったところでしょうか、スムーズに話せるまで繰り返します。内容によって5回~10回が目途です。3項目から5項目教えたら、今度は2~3人で、ロールプレイングでおさらいさせます。ここで、最近のまじめな若者の特性が見えてきます。まとめて訓練しますと、何度繰り返した事でも出来ないのが当然ですが、上手くできない事を、自ら休憩時間に練習したりします。ポイントは、受験勉強と同じで、目で見た情報を、口に出し、自らの耳で聞く、という五感を活用する為、習得度が高くなる点です。
Mr.NO
- S34年 宮城県生まれ
- S58年 大学卒業後 7年間の住宅営業を経て、研修・採用担当として20年間実務にたずさわる
- 自他ともに認める いのしし年、B型、さそり座の典型人間?