<第05回>「ディスカッション」を効果的に活用する!
「若者は理念やミッションを好む」
前回、近頃の若い人は、「理念」や「ミッション」を好む、と書きました。 その理由は色々考えられますが、「衣食足りて礼節を知る」ということなの か、「無いものねだり」(自分に信念が無いために、他人の「哲学」や「信 念」が欲しい)なのかは分りません。少なくとも、入社するときの意思決定 理由に「社長さんの理念に共感して入社を決めました」とか「御社の理念に 感動しました」という意見が年々多くなっていることは確かです。また、学 生時代にボランティア経験する人も多く、「誰かの役に立つ」というフレー ズに弱く、「お客様の為」や「社会貢献」という言葉をよく聞きます。決し て悪いことではないですが、自分の足場を先に固める前に、「理念」や「ミ ッション」だけに憧れても、蟷螂の斧でしょう。
では、この傾向をどのように育成に結びつけるか、が会社側の課題となりま す。多くは社長自らが、講演スタイルで「理念」の原点や、ミッションの重 要性を説くケースのほうが大半かと思います。時間がない場合はそれでも良 いでしょう。しかし、後に当人達が迷ったときの「原点」とはなりません。 まだ、「共感」の範囲で終わってしまいます。ここから一歩進めさせる方法 として、
1、「理念やミッションがなぜ生まれ、なぜ必要なのか」をディスカッショ ンさせる方法があります。日本の学生の学力レベルは、授業中に「耳栓をし ているレベル」といわれます。ですから、一方的な講義形式は対して「耳栓 をする習慣」が根付いているとしか言いようがありません。逆に「自分の頭 で考える」という習慣が極めて少ない反面、言われたことは文句を言わずに やる傾向があります。「主体性」が低く「共感性」が高い、という「良い子 タイプ」ですから、こういったディスカッションもきちんと取り組んでくれ ます。但し、留意したいのは、ユニークな発想もどんどん出させる事です。 「良い子タイプ」は、どうしても「正解」を出そうとして、視野を広げませ ん。そうなると、時間もかかるし、シーンとした葬式状態になってしまいま す。ブレーンストーミング方式で、いかなる回答も良しとして、後にショー トブレーンストーミングで集約すればよいわけです。
2、「理念やミッションに従い、自己の業務にどのように反映させるのか」 をディスカッションでブレークダウンさせましょう。いわゆる「自己の行動 原則」です。ここでもユニークな発想を大いに歓迎しましょう。
3、ある程度、業務を経験した社員については、「行動計画を策定」させる 事が出来ます。この後「コンプライアンス教育」に関連付けが簡単に出来ま す。
Mr.NO
- S34年 宮城県生まれ
- S58年 大学卒業後 7年間の住宅営業を経て、研修・採用担当として20年間実務にたずさわる
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