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コラム

菅原のひとりごと

弊社代表・菅原による不定期連載。世の中の動向や日常の出来事を徒然語ります
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第39回

寒さが増した11月下旬、震災後初めて釣り糸を垂れました。「ハゼの天ぷらを食べたい」という家族の願いを一身に受けて?、500円分の青イソメ(餌)を買って菅原農園前の入江に投げました。 「タボハゼ」とは、よく言ったもので、私でも釣果は上々でした。潮の動く朝の2、3時間で切り上げて、後は畑の冬支度、昼過ぎに家に戻って食事、数日いい汗をかきました。時々通る仙石線、生活音はほとんどなくて、一つのことに没頭できます。ここにいると時間を得した気分になりますね。

実は10月中旬から塩竈市青葉ヶ丘、時々仙台という生活になりました。通勤はやや不便になりましたが、畑と海が目の前という好環境です。愚犬との散歩は松島湾を一望する高台が日課となりました。道々で出逢う人たちが、新参者(犬)に気さくに声をかけてくれます。朝日は島々を照らしながら、ゆっくり昇ります。空気が澄んでいて星が近くに感じます。流れ星は願い事ができそうな長さで糸を引くように海へ堕ちて行きます。

農園はサツマイモの収穫が終わり、キャベツや白菜などが、寒そうに残っているだけになりました。今年もたくさん大地の恵みをいただきました。猫の額で50種類以上の野菜に挑戦しました。初年度と違い、欲が災いの失敗もありました。来年は三年目。野菜の性格も少しつかめたので、消費や人気を加味して作付量を調整しようと考えています。既に越冬の玉ねぎは、今年の3倍植えました。冬の間に耕作計画をじっくり練りたいと思っています。

世の中は、不毛な?選挙の真っ最中ですね。関心は高いようですが、どこが勝っても高い消費税になりそうなので、棄権も民意行使かと迷っています。ここは、街宣カーも通らないような古い団地です。何と町内にコンビニどころかお店もありません(一応塩竈市です)。プチ田舎暮らしで、感じることは自然や時間という「お金で買えない豊かさ」があるということでしょうか。「買う場所無いから、お金貯まるよ!」そう願いたいものです。

釣りの翌週、仙台の友人夫妻を招き、畑の恵みで食事会を開きました。ハゼの天ぷらは絶品なんです。安納芋と九条ネギも天ぷらにすると甘くて、食感もたまりませんね。加えて、塩釜魚市場で仕入れた刺身と松島産牡蠣の炊き込みご飯も。地産地消の素朴な田舎料理と海の幸で乾杯しました。季節が織り成す食材とゆったりと流れる時間、束の間の戦士の休日でした。

翌朝、雑踏の仙台市中に戻ると、慌ただしさに拍車がかかっていました。残すところあと数週間、例年に増して寒波が厳しいようですね。皆様、くれぐれもご自愛ください。

平成24年12月12日



プロフィール菅原 誠

株式会社エムジョイ代表取締役。
平成元年、地元テレビ局とタイアップした学生の就職支援イベント「探職フォーラム」が縁で脱サラ、独立。主に札幌・仙台を中心に学生と企業の求職・求人活動支援のコンサルティングを展開中。55歳。趣味は野球観戦、蘭、熱帯魚。