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コラム

Dr.セイの健康管理術

産業医・労働衛生コンサルタントの清治邦章が、職場の健康管理・メンタルヘルスについてお話します。
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<第16回> インフルエンザワクチンを接種しましょう

11月も下旬、大分寒くなってきました。病院内でも少しずつインフルエンザの患者さんが見受けられるようになってきました。例年のことですが、インフルエンザワクチンの接種をお勧めします。

ワクチンの接種は感染の予防のみならず、感染した場合の重症化を防ぐ効果もあります。特に幼児や高齢者の方は重症化により死に至る場合もありますので接種するメリットがあるでしょう。ワクチン未接種でインフルエンザにかかった65歳以上の健常者について、もし予防接種していたら35~55%の発病を阻止し、約80%以上の死亡を阻止する効果があったと報告されています。

小児に関しては、1歳以上6才未満児については、発熱を指標とした有効率は20~30%(厚生労働省:乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に対する研究報告)となり、接種の意義が認められ、またかかった場合の重症化を防げることも大きなメリットです。小児・高齢者以外の方もこれに準じた効果があると思われます。

副作用に関しては、約10%の方に、発熱・頭痛・怠さ等の全身的な症状や、注射した場所の発赤・腫脹・かゆみなどが起こりますが、いずれも2~3日で改善します。また、接種後に急性脳症・肝機能障害・けいれんなどが起こったケースもありますが、因果関係はハッキリしません。昭和51年から平成6年までの、主に小児に対して接種が行われていた頃の統計では、インフルエンザワクチン接種により引き起こされたことが完全には否定できないとして、救済対象と認定された死亡事故は約2,500万接種あたり1件でした。このように深刻な副作用は多くはありません。

例年、ワクチン接種せずにインフルエンザに罹り、仕事を5日程度、休まなければならない方を診察します。そのようなことにならないように、12月上旬までには接種しましょう。また接種後、効果が生じるまでは2週間程度かかりますので、注意しましょう。



プロフィールDr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)

  • 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
  • 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
  • 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
  • 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。

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