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コラム

Dr.セイの健康管理術

産業医・労働衛生コンサルタントの清治邦章が、職場の健康管理・メンタルヘルスについてお話します。
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<第02回>ストレスは何故増え続けるのか?

こんにちは。産業医の清治です。
今回から5回に分けてメンタルヘルスの総論的な話をします。

昨今、メンタルヘルスについての関心はどんどん高まっています。産業医である私への相談も増える一方です。なぜこんなにも問題になってしまったのか?それは平成10年から始まった自殺者3万人越えの影響が大きいと思われます。厚生労働省はその対策で様々な手を打っていますが、自殺者が全く減らないということは効果が無いと言ってもいいもかもしれません。また、精神疾患の労災申請件数もうなぎ上り、5年前の倍に達しています。とにかくストレスの多い世の中になってしまいました。様々な要因がありますが、私が感じている要因を挙げてみます。

1.日本全体が24時間営業になってしまった

コンビニの登場で、どこでも誰でも好きな時に食事ができるようになりました。そして24時間、社会が動くようになりました。当然、国際的な競争をするには必要なことであったのかもしれませんが、その分人々の働く量が増し深夜に働く人が増加しました。その結果、ストレスにさらされる人も増えてしまいました。

2.教育システムにより、ストレスに弱い大人が生まれてきた

一昔前は、学校で先生に殴られた生徒が「親にも顔を殴られたことがないのに!」などということは、とてもあり得ない話としての笑い話でした。でも現在はそれが当たり前、学校では競争して優劣をつけることをしません。もうガキ大将もいません。そんな温室育ちの人々が社会に出てきて、今までにないストレスにさらされ、メンタル的な疾患になるのは無理もないことではないでしょうか?

3.コミュニケーション能力の低下

以前は自分でわからないことがあれば、人に訊くのが当たり前でした。でも今は人に訊くよりもパソコンに向かってインターネットで調べるほうが簡単です。また、直接会って話すより携帯電話、携帯電話よりメールが手軽です。コミュニケーションの場が徐々に失われ、その能力も失われています。そして対人関係のストレスが生じるようになりました。

これらの要因が重なり合って、現在の状況となってしまいました。
では今後、私達はどのように身を守ればいいのでしょうか?

続きは次回に。



プロフィールDr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)

  • 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
  • 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
  • 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
  • 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。

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