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コラム

Dr.セイの健康管理術

産業医・労働衛生コンサルタントの清治邦章が、職場の健康管理・メンタルヘルスについてお話します。
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<第08回> 「産業医新聞7月号」

【※熱中症に注意しましょう。】

7月になり暑い日が増えてきました。毎年のことですが、熱中症に注意しましょう。熱中症の主な原因は「脱水」とそれに伴う「体温の上昇」です。気温が上昇すると、当然人間の体温も上昇します。体を動かせばなおさらです。上昇した体温を下げる為に汗をかきます。汗は蒸発すると同時に皮膚から熱を奪っていきます。この体温調節システムを維持するために、水分の補給は欠かせません。また汗は水だけでなく塩分も含みます。ナトリウム・カリウムなどを含むスポーツドリンクなどで水分・塩分を補給しましょう。子供やお年寄りは特に脱水になりやすいので要注意です。

湿度が高い時は汗が蒸発しにくい為、熱中症になりやすくなります。風通しの良い服装、濡れたタオルで体を拭くなど、体温を下げる工夫が必要です。

熱中症になったら、安静にして水分補給をします。衣服を緩め、首周り・脇の下・足の付け根などを氷枕で冷やしながら、あまり冷えていない水分を補給しましょう。意識が朦朧としている、嘔吐の為に水分が摂れない、時間が経っても改善しない、等の場合は速やかに医療機関を受診しましょう。また、改善したように見えても腎不全が進行している場合があります。水分を沢山摂取しても排尿がない場合は、医療機関を受診して下さい

熱中症を予防して、楽しい夏を過ごしましょう。

【※行くのが怖い?行かないのが怖い?~健康診断事後処置アドバイス~】

働いている人は年に1回、健康診断を受けなければなりません。これは企業の義務であり、従業員の義務でもあります。まず、健康診断をしっかり受けて、自分の健康状態を把握して下さい。

健康診断は受けるまでも大事ですが、受けた後は更に重要です。受けた方には結果が届き、『要病院受診』との判定がされている方もいるでしょう。項目は、高血圧・血液検査・尿検査や便潜血など様々ですが、さて病院に受診しますか?それともしませんか?

私の経験上、受診する方としない方はだいたい半々くらいです。 受診しない方の主な言い分は、「忙しい」や「病院に行くのが怖い」というものです。確かに、土日休みの方にとっては仕事を休んでまで受診するのは割が合わないという意見もあるでしょうし、しかも病院に行けば「生活習慣が悪い」とか「治療をしなさい」とか、聞きたくないことを言われます。「こんなことで病院に来なくていい。」と言われたり、逆に「なんでこんなになるまで病院に来なかったんだ。」と言われたりした方もいるようです。

それでもやはり、病院に行きましょう。判定をする側としては、是非病院に行って頂きたい方にのみ『要病院受診』と判定しています。様子を見ていいと思う方にそういう判定はしません。忙しく仕事ができるのは、健康な体があってこそです。大病をして仕事ができなくなっては本末転倒です。更に現在、最も有効な医療は「早期発見早期治療」です。「怖い」と言って病院に行くのが遅れることが最も怖いことです。勇気を持って病院に行きましょう。

また、紹介状や受診に関して以下のような方は産業医までご相談下さい。

  • なぜ「要病院受診」なのか、説明して欲しい。
  • 病院に行かなければいけない理由を説明して欲しい。
  • 病院に行ったが、納得できないことがあった。

など、何でも結構です。お気軽にご相談下さい。



プロフィールDr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)

  • 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
  • 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
  • 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
  • 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。

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