<第14回> お酒の飲み過ぎ・食中毒に注意しましょう。
【お酒の飲み過ぎに注意しましょう。】
震災からの復興も徐々に進んできました。巷では「震災のストレスで『飲酒量が増えた』という方が増えている。」という報道もあるようですが、皆さんはいかがでしょうか?
元来、日本人はALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)2が全くでない人が1割、あまり出ない人が4割で、合計5割は、お酒に弱いと言われています。このような方は、当然肝機能障害を引き起こしやすいと言えます。顔が赤くなる方は、ALDH2の分泌が悪い方と思われます。特に人間ドックの腹部超音波で「脂肪肝」とか、健診の血液検査で「肝機能異常」と言われる方は要注意!自分の体調と相談しながら飲酒するようにしましょう。
ALDH2が欠損していない方は、体への悪影響は起こりにくいかもしれませんが、アルコールだけが楽しみだと「アルコール(依存)症」になってしまいます。これも大変恐ろしい病気で、人生を棒に振ることになります。是非注意して下さい。
【食中毒に注意しましょう。】
この時期は気温も湿度も高く、食中毒が起こりやすい時期でもあります。食中毒の予防の三原則は、【1】菌をつけない 【2】菌を増やさない 【3】菌を殺す、です。
【1】菌をつけない:食品を扱う前、食事の前は手洗いを忘れない、手の傷にも注意です。また調理器具の管理もしっかりしましょう。
【2】菌を増やさない:調理は手早くできるだけ早く食べてしまいましょう。保存する場合は冷蔵庫を利用しますが、冷蔵庫の中でも生存・増殖する菌もあります。過信しないようにしましょう。
【3】菌を殺す:十分に火を通して食べましょう。(75℃、1分以上)
特にこの機会に、皆さんの職場の冷蔵庫をチェックしてみて下さい。1週間も前から置いてある飲みかけのペットボトルはありませんか?不要なものは早めに処分して、食中毒が起こらないようにしましょう。また、生肉も食べないようにして下さい。今年は熱中症も注意が必要ですね。小まめに水分補給を!!時節柄、ご自愛ください。
Dr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)
- 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
- 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
- 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
- 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。
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