<第11回> ノロウイルスの流行について
【※ノロウイルスに注意しましょう!】
今年の冬はインフルエンザに先行してノロウイルスが流行しているようです。皆様の周りではいかがでしょうか?やはり病院でも、インフルエンザより、ノロウイルスによると思われる、「嘔吐下痢症」が流行しています。嘔吐下痢症の治療は、整腸剤や嘔吐を抑える薬、水分の点滴などの対症療法になります。下痢を止める薬は治療期間を長引かせると言われ、下痢がひどい場合でも勧められません。
治療期間は通常2~3日となります。吐き気がひどい場合は医療機関で点滴をしなければなりませんので、短期間の入院が必要となる方もいるようです。嘔吐が治まれば、スポーツドリンクなどの水分、お粥やうどんなど消化のよいものから食べるようにしましょう。「下痢をするから飲んだり食べたりはしたくない。」という方がいますが、下痢をしても全て排泄されることはありません。嘔吐を抑えるために少量を、回数を増やして食べたり飲んだりするようにしましょう。
家族に感染していく典型的な例は、まず保育園や幼稚園に通うお子さんが感染し、次にお母さん、次にお父さん・・・と広がるようです。インフルエンザはアルコール消毒が有効ですが、ノロウイルスはアルコール消毒が効きません。 ノロウイルスの消毒には、「次亜塩素酸ナトリウムの希釈液」が有効と言われます。希釈液を簡単に作るには500mlのペットボトルと濃度約5%の塩素系の漂白剤を準備します。キャップ2杯の原液(約10ml)を500mlの水で薄めれば、濃度0.1%(1,000ppm)の消毒液ができますので、嘔吐物や便の付着した床・トイレなどの消毒に使うことができます。同様に2リットルのペットボトルで10mlの原液を希釈すれば、濃度0.02%(200ppm)の調理器具やおもちゃ、皮膚に使うことができる消毒液ができます。
「次亜塩素酸ナトリウム」は金属を変性させますので、消毒後は水拭きすること、また作り置きすると効果がなくなるので、その都度作ることに注意しましょう。
今年一年ご愛読ありがとうございました。 心身ともに健康で良い新年をお迎えください。
Dr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)
- 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
- 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
- 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
- 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。
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